今回はバイク乗りなら誰でも経験するであろうキャブレターオーバーホールです。
特にバイクが不調ではないのですが、中古車で購入した以上は新車ではありませんから消耗している箇所が必ずあり、内部状態はどうなっているのか外からでは分かりません。一番恐ろしい事は予期せぬタイミングに動かなくなる事です。仲間とツーリングに行こうとした時に動かない事やビジネス先へ行く時に動かない等、遠出した所で止まる等とその心配はバイクでも車でも常に付きまといます。そうしたトラブルを減らす意味としては各所の消耗を新品状態にする事で突然起こるトラブルは大きく減らす事ができるでしょう。
キャブレターはガソリンと空気を混ぜた混合気を作るパーツです。つまりはここが不調だとエンジンが掛からない・動作が不安定になるとても重要なパーツです。メインはエンジンの様に思いますがエンジン動力が始動する為の部分となる所ですので一番気を使われるパーツではないでしょうか。
オーバーホールは意外に時間が掛かりますので、一気にやろうとせず営業時間終了後に数時間程度の作業で小まめに進めていき完了しました。📷 キャブは取り外し・取り付けが地味に大変かもしれません…。250TRは単気筒なのでとても楽な部類でしょう。4気筒は大変そうです。📷 キャブを外すまでが大変かもしれませんが、外した後はオーバーホールするのみです。具体的には分解して内部のパーツをクリーニングする事となるのですが、キャブはバイクパーツの中でもかなり重要パーツ。キャブがちゃんと動作しない事にはエンジンが安定動作しないトラブルになりますので各パーツの汚れを取り除きコンディションを整えたいパーツです。バイクの不調の際はキャブに問題がある場合が多い様です。📷 細かいパーツが多く、組み立て方を覚えておかないと後で泣きを見るパーツでもあるので、分解した箇所をメモしていく事が良いと思います。サービスマニュアル・パーツリストを所持しているのでこの辺りは整備書を用意していた方が参考する際に助かりますので絶対に入手していた方が良いと思います。書籍が無いと組み立て方法が分からなくなった際の正解が分からなくなります。
スプリングが錆びているのは予想外でした。もしかしたら長い放置期間があったのかもしれないですね。📷 フロート部の中は意外に綺麗でしたがガソリンが腐った跡なのか、緑色に変色した部分・Oリングに錆びの様な物が付着しています。📷 キャブは専用クリーナーで洗浄です。アセトンの様な質感ですね。金属以外に使うと相当攻撃性が高そうな液体です。📷 Oリングは交換しますが、かなり溝に錆びの様な物が溜まっていますね。長く動かさなかった事が過去にあったのでしょうか、隙間に入り込んだガソリンが劣化して腐食し固まっている様です。
定期的にエンジンを掛けた方が良いというのはこうした液体系が劣化して固まったりする事から定期的に動かしたりして循環させた方が良いと言われます。長い放置期間がある場合はガソリンを抜く・フューエルワン等の添加剤を入れる等の対策をした方が良いそうです。恐らくこのバイクも長い期間置いた時があってこの様な状態になったと推測します。📷 見た目は綺麗なのですがクリーナーを吹いていくと泥水の様にクリーナー液が汚れていきます…。キャブの中を覗けば「こんな小さい穴からガソリンが出ているのか…」と驚きます。そもそもキャブをこの様な設計で誰が考えたのか、発明した人は本当に凄いと思います。こんな単純な機構でガソリンが空気と混ざり混合気となる働きを得られるのですから驚きしかありません。ガソリンが通過する穴は小さく、汚れが溜まって穴が詰まると調子が悪くなる事が見て分かりますね。重要であるパーツとしてオーバーホールし中の構造を見ると意味が理解できます。📷Oリング部が分かり易かったのでクリーニング後はピカピカです♪汚れが残っていて穴に詰まると一発アウトになると思いますので、フロート室は相当気を使ってクリーニングした方が良いでしょう。
📷今回のオーバーホールは一式パーツセットを購入していた為、ジェット系パーツは新品に交換しました。元から付いていた古いパーツはストックとして持っておきます。
キャブ本体をキャブクリーナーに漬けている際は何もできない為、その間はレギュレータの交換を致します。
📷 古いレギュレータは汚れも酷い状態ですね。レギュレータは電圧を整えたりバッテリー充電にも関係するパーツです。バイクに重要でないパーツは基本付いていませんがバイクの動作は電気も使っています。電気関係にトラブルが起こると動かなくなります。
レギュレータは熱を発生するパーツですので寿命はそう長くはないであろうパーツですね。壊れなくても劣化し本来の性能が発揮できない状態になる事でしょう。こちらも壊れている訳ではありませんが恐らく交換した歴が無いと思いますのでこの機会に新品に交換しました。📷 250TRでレギュレータ交換はかなり大変ですね。横から見える位置に付いておりますがエアクリーナーのパイプが邪魔になり片方のビスが外せないのでエアクリーナーBOXのビスを外して本体をずらしてみようとすれば隣のバッテリーBOXが邪魔でずらせないのでバッテリーBOXとエアクリーナーBOXの両方のビスを外す必要があり、レギュレータ1個交換するだけでも結構大変です。もしかすると薄型のBOXレンチがあればいけるかもしれませんが、一般的なレンチで外すには厳しいスペースかと思います。📷 お陰様でこれだけでも取り付け後の達成感は凄い物があります(笑)これは次に交換する際に別の場所に移した方が良いですね。中々壊れるパーツではないと思いますが電装パーツは基本的に熱に弱いはずですので、今年の猛暑と重なると高熱による急激な寿命低下・状態低下・万が一の際は走行中の故障等が考えられますので定期的に交換した方が良いでしょう。交換時は外したパーツ・ホース類を戻す事をお忘れなく。📷 キャブを外した事から吸気部の方も確認してみました。結構汚れていたので布で吹いて綺麗にしましたがホール内部の周りはザラザラするのはカーボン汚れなのか、思っていたよりもかなり汚れていますね。以前のブログで行ったエンジンコンディショナーもキャブやマフラーを外してこの部分にも吹き掛けるべきでしたね。それらは次回のオイル交換時に行いましょう。📷キャブのクリーニング後は組み立てです。新品のジェット系パーツを組んでいきます。取り付けをミスらない様にマニュアルを確認しながらの作業です。小さなパーツが多いので付け忘れがないか?・間違えていないか?とかなり気を使います。小さなワッシャーやOリングを無くしたら大惨事です。📷組み立て完了♪外見もクリーナーでかなり綺麗になりました♪📷キャブの組み立て後は取り付けて完成です!
キャブのオーバーホール時は戻した際にキャブ内のガソリンが空の状態ですので、オーバーホール後の初めてのエンジン始動だけは時間が掛かると思います。キャブ内にガソリンが溜まってきたであろう時に掛かり始めるかと思います。そして無事にエンジンが掛かりました♪
アイドリング状態が大分変わっており、音を聞きながらエアスクリューの調整・パイロットスクリューの調整を行い以前の様な動作状態になる様に調整し仕上げました。もしかするとクリーニングによりキャブ内の詰まりが無くなりスクリューからガソリンの流れが良くなった事から以前の設定よりも燃料が濃い状態になった?のかもしれません。もしくは新品のジェットが元のジェットと番号が違うのか、元から付いていたジェットは番号が書いていないのでその辺りは不明点がありますね。この辺りは調整次第でバランスを取り良い状態にできるでしょう。プラグの焼け方を確認しながらまた何度も乗って調整しながら乗っていく必要がありますね。
具体的には乗ってフィーリングを確認する必要がありますが、今の所アイドリング動作も良好ですのでキャブのオーバーホールは大成功ですね♪走りがどう変わるのか、次のツーリングが楽しみです!
読んで頂きありがとうございました♪
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